如是庵で精進懐石料理を楽しむ

どんぐり70

2016年12月15日 04:52

駐車場に車を止めて、サクサクと落ち葉を踏みしめながら小道を歩く、山荘は自然に囲まれた奥深い山の中にに建つ。この日訪れた如是庵は、わずかに残る紅葉と総ヒノキの和風山荘、おもてなしの心で私たち三人を迎えてくれた。

自然園北山の如是庵は、奥山方広寺故官長の足利紫山禅師が名づけたもの。如是とは、かくのごとく、このように、一切の存在を・・という意らしい。奥深い六千坪の真ん中に建つ和風山荘で、わづかに残る紅葉を眺めながらいただく精進懐石料理は格別だ。以前、紅紫さんから紹介を受け、一度は行ってみたい思いに駆られていたが、なかなか予約が取れず今回ようやく思いが叶った。窓越しに見る「自然」はほんと別世界だ。以前は、観月やホタル観賞ができたと言うが今は夜の予約は取らないそうだ。そう言えば昨日は満月、月が美しかった。

山荘の部屋数は三室、襖絵、額、花瓶、欄間、何一つとっても、名のある方たちの作、部屋にいてその雰囲気に浸るだけでも楽しい。ここに来てよかった。男ばかりの三人も同じ思いのようだ。

奥山方広寺官長故足利紫山禅師は如是庵をたびたび訪れ、しばしの憩いに浸ったという。作家で眼科医の故藤枝静男氏はここの女将の仲人親だと知りびっくり、芥川賞候補に何度かノミネートされた浜松を代表する作家のひとりだ。

会話は弾み「私の元気なうちにもう一度きてください」と言われた帰りがけの女将の言葉がなぜか心に残る。