人生後半の挑戦(2)

人生後半の挑戦、伊能忠敬、その素晴らしき生涯。
伊能忠敬の偉業については、井上ひさしの「四千万歩の男」で紹介されているが、私は家に帰り、改めてこの小説を読むことにした。

その中で測量の方法がユニークで、現代ではとても考えられないこと。それは自分の歩幅を基準にして二歩を一間(1,8m)と定め、歩幅が100に達すると、小石を左手の小袋から右の小袋に移す、二歩で一間の歩幅を守っている限り小石一個は五十間の距離を示すことになる。今日一日の目的地を定め、それに達した時、右の袋の小石を数えれば今日歩いた距離が計算できる。つまり自分の歩幅が物差しなのだ。「御用、測量方」の旗を掲げながら息子を始め、常時5~6人の体制で草履をはき日本全土、遠くは蝦夷地(北海道)迄、ぴょんぴょんと歩く姿を想像してみて下さい。その数実に四千万歩、しかも出来上がった地図は正確そのものというから驚きです。

忠敬の研鑽と実戦に貫かれる姿勢は事実と実績を重んじる妥協のない科学者の精神を併せ持っていた。つまり正確で正直であったことが、この偉大な事業を成功させたものではなかろうか。

何れも、大事業を成し遂げるには、日常たゆまぬ努力と愚直なまでの信念、部下をして尊敬せしめるカリスマ性があってこそなしえることと思われてならない。「日本沿海興地全図」はこの時代にあって、日本の魂の傑作であることに間違いない。(終り)

人生後半の挑戦(2)


 
この記事へのコメント
どんぐり70さん おはようございます♪

伊能忠敬の精神力。凄まじい意思が
なければ出来ない事ですね。
タイムマシンがあったなら伊能忠敬に
お会いしてお話してみたいものです(^-^)
日本を測量する目的の先に地球を計り
たかったらしいですね⁉️それはもう
学者の域でしょうか❗️ヽ(;▽;)ノ
スケールが違いますね。

1日のコメントをいただけますか(^-^)
Posted by シュリンプさくらシュリンプさくら at 2016年12月07日 06:17
  さくらさん、おはようございます!

私は物語の聖地を訪れるのが好きです。この伊能忠敬も何年か越しのものでした。私は、二年ほど前、脊椎間狭窄症になり今でも整形の医者通い、不自由していますが、気力はなぜか衰えません。今でも、友人の寺の住職を誘い、取材旅行に毎週のように出かけています。

忠敬の場合、普通、楽隠居が可能なら「悠々自適」になるのが当たり前ですが、それを好んで、後世に残る仕事を選んだ、その考え方、気力に尊敬するのです。ひとはすべからくそうありたい・・人間としての鏡です。そうゆう環境にじかに触れてみたい、そんな思いから訪れました。

コメントありがとうございます、うれしかった・・感謝、感謝。
Posted by どんぐり70どんぐり70 at 2016年12月07日 08:15
さくらさんへ。追伸・・
12月1日のコメント遅くなってすみませんでした。ご確認くださいませ。
Posted by どんぐり70どんぐり70 at 2016年12月07日 10:19
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